天台仏教青年中央研修会

 

 

 

日時:平成28年12月14日

会場:延暦寺叡山会館

内容:

 12月14日から1泊2日、比叡山延暦寺会館で行われた天台仏教青年中央研修会に参加させて頂きました。天台宗の総本山、比叡山での研修会ということで、いつも以上の緊張感で研修会に臨みました。ロープウェイを降り、山中から琵琶湖を眺めると、12月の寒さとは別の、身の引き締まるような雰囲気を感じます。それだけでも比叡山に登る価値はあるなと思いながら、会場となる延暦寺会館へと歩みを進めました。

 最初の講義では、「お寺の未来~これからのお寺の100年を開く~」という演題で、一般社団法人“お寺の未来”理事、松本紹圭師にご講演を賜りました。人口の減少、宗教離れ、価値観の変化などの問題に対して、これからどのようにしてお寺を守っていくのか。お寺を取り巻く環境を広い視野で把握し、自坊に何が必要なのか、今自分は何をすべきなのか、考える必要性をご教授いただきました。

 夕食後の実践発表では、東京教区の小野常寛師が、ご自身が行っている取り組みについて発表をしてくださいました。私と同年代ながら、私には想像もつかないような様々な取り組みをされている内容に、ただただ驚くばかりでした。

 お二人のお話を聞いていて、お二人ともお寺や僧侶というものを、ちゃんと理論的に考えて行動されているのだということを感じました。それは本当に素晴らしいことだと思いましたが、ではあなたはどうですか?と聞かれてしまうと、なかなか同じようにはいかないですと答えざるを得ません。そんな中でも、今回の研修会で考えついたことは、とにかく今自分が大事だと思うこと、自分に出来ることを一生懸命やろうということです。私の場合、それは、心を込めて読経をすること、文字を少しでも綺麗に書くこと、お話をわかりやすく丁寧にすることです。環境の変化に翻弄されるのではく、自身の足下をしっかりと固めていくことが、お寺を守っていくことに繋がるのではないでしょうか。

 二日目には、妙法蓮華経の写経をさせて頂きました。写経は、させていただく度に素晴らしいものだと実感します。いずれ自坊でも、写経会を行いたいと思います。

 短い時間ではありましたが、非常に充実した研修会となりました。開催にあたりご尽力賜りました、全ての皆様に篤く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

合掌

 

埼玉教区 安楽寺

 

住職 櫛笥 亮諦