Q&A 回答集その3

Q1.相応和尚について教えて下さい 

 延暦寺の第3世天台座主慈覚大師円仁の弟子です。比叡山に伝わる千日回峰行という修行をはじめました。 千日回峰行とは比叡山の山中を巡りながら、仏をはじめ、神、山、石など全てのもの仏様同様に敬い、祈り を捧げる修行です。相応和尚は「世の中のあらゆるものは仏になる素質がある」という法華経の教えの体現 者といえます。 また日本天台宗祖最澄と師匠の円仁への大師号授与を清和天皇に奏上しました。この実現によって日本で最 初の大師号となる伝教大師と慈覚大師が誕生したのです。

平成27年度 本山仏青 回答 

 

 

Q2.墓地を移転しようと思いますが、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?宗教的なこと手続き的なこ とを教えて下さい

 現在のお墓が寺院墓地にある場合、まずはその寺院の御住職にご相談されるのが良いでしょう。

法律にのっとった基本的な手続きは以下のとおりです。 

1.移転先の墓地から「墓地使用許可証」を発行してもらう

2.現在の墓地がある市区町村から「改葬許可申請書」を取り寄せ、現在の墓の管理者から署名・捺印をもらう

3.1と2の書類を現在の墓がある市区町村に提出し、「改葬許可証明書」をもらう

4.現在の墓から遺骨を取り出す(この時、閉眼供養を行います)

5.石材店などに依頼し古い墓を解体、整地して管理者に返す

6.移転先の管理者に「改葬許可証」を提出する

7.遺骨を埋葬する(この際、開眼供養を行います) 

 

 なお、地域・自治体により必要な書類や手順が異なる場合もあるため、改葬を決められたら現在の墓地があ る自治体にまずは確認されるのが良いでしょう。 また、墓地には、運営管理者によって寺院墓地・公営墓地・民営墓地、等に分かれます。寺院墓地の場合、 「改葬許可申請書」の署名・捺印は運営管理者である寺院からもらうことになります。 

平成27年度 京都仏青 回答

 

Q3.「四門出遊」の意味するところを教えてください

 

 お釈迦様が出家される前、釈迦族の太子の頃、カピラ城の東西南北の四門から城外に出られ、様々な人々・ 場面に遭遇し、出家を決意したという説話です。 太子は、東門で見るに堪えない老人の姿を見て、逃れられない老いの苦しみに直面し、南門では病に侵され た者に会い病の苦しみを知り、さらに西門では人の死に遭遇し、生きていればこの「老・病・死」の三苦が 避けられないものであることを知ります。 しかし北門ではそれらの苦しみを乗り越えんとする出家修行者、沙門と出会い、その煩悩を捨て去った崇高 な姿に心打たれて、自らも出家を決意されました。 

平成27年度 近畿仏青 回答

Q4.お寺には住職がいますが、住職以外の身分、肩書きはあるのでしょうか?

 

 住職以外に、住職を補佐する立場の副住職、主にご住職の奥方がなる寺庭夫人、または他に事務をされる方 がいる場合には執事長、寺務員等の様々な方々がいらっしゃいます。 天台宗では、基本的に寺院を取り仕切る者は「住職」とお呼びすればよいのですが、地域によって「お じゅっさん」や「法印さん」など様々な呼び方をされます。 また、門跡寺や大きなお寺では「門主(もんす)」や「貫主(かんす)」、「貫首(かんしゅ)」、「管長(かん ちょう)」など住職の呼称を決めている寺院もあります。 お呼びするときにはそれぞれ頭に「ご」をつけていただいて、「ご住職」や「ご門主」などとお呼びいただ くと丁寧でよろしいかと思います。 

平成27年度 兵庫仏青 回答

 

Q5.不動真言の意味を教えてください

 不動真言とは、不動明王のご真言のことです。不動明王は仏道修行者を守る役割があり、修行者に寄り添って悟りを求めて修行する心(菩提心)を発し、悪を断じて善を行い、計り知れない智慧を得て、成仏さ せるということを目的としている明王(仏)です。 次に真言とは、仏教がインドで生まれた頃そのままの発音で、仏さまのお名前をお呼びし讃嘆する言葉と 言い換えることができます。仏や菩薩の本誓、迷いや苦しみなどから衆生を救うという誓いを示す秘密の言 葉です。不動真言は「ナマサマンダ・バサラナン・センダ・マカロシャナ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン」(天台宗「台宗課誦」より)、概ね「遍く諸々の金剛部に帰依し、特に不動尊を呼んで煩悩・業障を破 壊し、大空の三昧に入ろうと願う」と訳すことができます。 千日回峰行を行う阿闍梨様が不動真言をお唱えするのも、修行中に出てくる様々な煩悩を菩提心にする為 にお唱えしています。阿闍梨様が生身の不動と呼ばれるのも弛まぬ菩提心を持っているからといえるでしょ う。堂入りなどの苦行におけるその精神力の強さに、私たちは自分の心の可能性に気付くことができます。 

 

 お不動さまは怖い顔で私たちを睨みつけ、邪心や気付かない内に持ってしまった煩悩を戒めて下さいま す。改まる時にはきちんと氏名を呼ぶように、正式なお名前で一心に真言をお唱えすれば、迷った心を正し い道に導いて下さることでしょう。 

平成27年度 岡山仏青 回答

 

 

Q6.声明とはなんですか?

 

 古代インドのバラモン教の僧侶は「リヴ(讃歌)・ヴェーダ(智慧)」を唱えるとき、節付けをして歌うよ うに唱えていました。これを梵唄(ぼんばい)といいます。やがて梵唄は仏教に取り入れられ、中国へ渡り ました。中国で密教が盛んになると密教儀式の音楽として整えられ、7~8世紀渡来僧や留学僧によって我 が国にもたらされました。 承和14(847)年留学を終えて帰国された慈覚大師円仁は「曼荼羅供養会」「引声(いんぜい)阿弥陀 経」などの新しい梵唄をもたらしました。これが天台梵唄です。梵唄は時代を経るに従って唱える僧侶によ り幾らかづつ節回しが違ってきたり、また名称も声明に変わってきました。そのため室町時代のころ「声明 譜」が作られ、節回しの統一化が図られました。 声明の内容についてですが、如来や菩薩、経典、高僧を讃えた文句や、民衆に地獄や浄土がどのようなとこ ろかを覚えやすく説明するための文句に旋律をつけ、各時代に沿った声明曲が作られました。儀式の中では、 これに鐃・鉢(シンバルやドラのようなもの)を鳴らしたり、時には雅楽を付けたりします。また、慶事や 弔事、ご祈祷などではすべて異なる声明をお唱えします。機会がございましたらぜひ耳を傾けていただけれ ばと思います。 

平成27年度 山陰仏青 回答

 

Q7.天台宗の修行とはどのようなものであり、なにをするのですか? 

修行は自ら行うものであり、誰かに無理矢理やらされるものではありません。

 

 修業とは、仏の悟り(境地)を得ることを目的として行われるものであり、座禅・写経・托鉢から山に籠る 籠山・山を巡る回峰行などいろいろあります。 天台宗は伝教大師により円密禅戒すべてを学ぶ宗派として拓かれたので、経典(円)を学び、密教(密)を 修し、坐禅(禅)に勤め、戒律(戒)を守るということを主に修行します。また、これらは大乗仏教では自 分のために修行することを自行と呼び、自行によって得た心で今度は他の人たちを助ける利他行を行います。 

平成27年度 四国仏青 回答

 

Q8.修行の一つに四度(しど)加行(けぎょう)があると聞きました。どんなことをするのですか?

 四度加行とは天台宗の僧侶となる上で必須の密教修行です。 天台宗の僧侶となるには、まず師僧様に弟子にして頂き、得度式という儀式を受けなければなりません。得 度式は、仏さまの弟子として精進していくことを誓う大切な儀式です。 得度式を終えると、いよいよ、比叡山行院という修行道場にて、60日間の修行を受けます。 

まず前半は、天台僧としての基礎的な教義や儀式作法を習得する前行(ぜんぎょう)を行い、後半に四度加 行という密教修行を中心とした行を履修します。 この四度加行の中で、諸仏のご真言を何千遍も唱え、印の結び方の伝法を受けます。 

四度加行は、十八道、金剛界、胎蔵界、護摩、の四種類で構成されております。 十八道は仏様を迎える18の作法です。 金剛界と胎蔵界は、それぞれ金剛頂経・大日経というお経に基づいての実習です。 護摩は四度加行の最終段階、仕上げの行となります。 

 

この四度加行は、午前2時には起床し、冷水を浴び身を清め、一日三座の密教作法を行い、仏様をご供養す る厳しい行でありますが、この行を修めることで、正式な天台僧として認められるのです。 

平成27年度 九州東仏青 回答

 

Q9.位牌が多くなり整理したいのですが、どうすればいいのでしょうか?

 

 長い年月が経てばお位牌も古くなったり多くなってきたりしますが、いくら古くて多くなったからといって、 永年家族の人々が手を合わせ拝んできたものを簡単に捨てるということはできません。亡くなられた方の戒 名あるいは法号を記したお位牌は、亡くなられた方の「依代」として、またご先祖様や故人の象徴として拝 むわけですが、私たちが今ここにいるのはご先祖様のおかげでありますので、ご先祖様に対する感謝の心を 忘れないようにしていただきたいと思います。

 まず菩提寺のご住職にご相談されるとよいのですが、遠くに離れていたりしてすぐにできないときは、近く のお寺に行って、古くなったお位牌の「魂抜き」のご供養をしていただき、「お焚き上げ」をお願いしたら よいと思います。お位牌を新しくされたときは、必ずご住職に「開眼供養」(魂入れ)をしていただいてから、ご安置ください。 

平成27年度 九州西仏青 回答

 

Q10.比叡山の紋に菊と法輪のようなものがありましたが、この紋は何ですか?

 

 菊輪宝の事ですね。この紋は延暦寺の寺紋になります。延暦寺一山の僧侶が身につけるものです。 この菊は十六菊になります、皇室の紋章と一緒です。

天皇家でこの菊の紋が使用されているのは、伝教大師が桓武天皇に比叡山で採取した十六弁の菊の花を献上 した事が始まりと言われ、その為、天台宗では菊の紋の使用を許されていると云われています。また天台宗 は、京都の皇室を護るための宗派として始まったからです。京都御所の鬼門に当たるところから朝廷の安寧 と五穀豊穣を祈る鎮護国家の道場となり、勅許をいただいて延暦寺を建立して本山としています。

法輪とは、古代インドで使われた武器で輪の周りに刃物が付いています。 これは、釈尊の教えが悪を砕くという意味があり、輪というのは車輪の如く この釈尊の教えが車輪が回転するかのように転がって広く伝わっていく事の意を表しています。菊輪宝は本 山の比叡山延暦寺の教え、天台宗の教えが、広がっていく事を表した紋になります。 

平成27年度 三岐仏青 回答

 

Q11.如来や菩薩、天などと仏様によって違うのはなぜですか?(例、阿弥陀、地蔵、大黒)

先ず最初に... 仏様の世界は、如来・菩薩・明王・天部から成っています。 

~如来~ 如来とは、悟った人、真理に到達した人、覚者という意味で仏の中の仏であると言えます。 そして、この如来のモデルは言わずと知れたインドの釈迦族のゴータマ・シッダールダ太子です。 シッダールダ太子は王宮を出る時に、豪華な衣装やアクセサリーなどは全て取って王宮を出た為、 身にまとっているのは一枚の納衣のみで武器や鎧も持っていません。 インド式に一枚の布を巻きつけた納衣と、素足で苦行をされたしるしの裸足こそが如来の特徴で あり、仏教で最初に誕生した仏様が如来です。 如来の主だった仏様には、この釈迦如来で、続いて阿弥陀如来、薬師如来、大日如来などがおら れます。 

~菩薩~菩薩とは菩提薩埵を縮めた言葉で、悟りを求める人という意味です。 悟りの最高位に達した存在が如来で、菩薩は今まさに如来になろうと修行を重ねている存在であ ります。 菩薩はシッダールダ太子の出家以前の姿が基本となっているので、如来とは違い、頭に王冠をのせ て首飾りや耳飾りや腕輪といったアクセサリーを身に付け、きらびやかで装飾性が強い仏様です。 菩薩にも聖観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩をはじめ、この他にもたくさんの菩薩がおられます。 

如来も菩薩も、主に慈悲深く衆生救済の誓願を持つ仏様方です。 

~明王~ 明王は、如来がつくる浄土や法に危害を加える邪神や仏敵がいれば、激しく威嚇ししたがわない ならば、仏法護持のため武力をもって懲らしめる事が主たる役目です。 その為、燃えさかる火炎を背にとても恐ろしい形相で眼をらんらんとさせて睨みつけ手には宝剣 や羂索等の武器を持っているのが明王の特徴です。 よく知られている明王には不動明王、それに降三世明王、軍茶利明王、大威徳明王、金剛夜叉明 王などがよく知られています。 

 

~天~ 天部の仏様は、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道の最上界の天に住む仏様で仏教を守り、 人々に幸福をもたらす仏様です。
東西南北を守護する四天王 東方の持国天、南方の増長天、西方の広目天、北方の多聞天が有名で、この中の多聞天は単独で 尊崇される時には毘沙門天と呼ばれます。 このほかにも大黒天や弁財天、帝釈天や梵天などがおられ、お釈迦さまに付き添い、お釈迦さま の法を説く手助けをしたり、仏国土や国家を鎮護したりと様々な特徴があります。

 平成27年度 北陸仏青 回答

 

Q12.お寺に参拝して御朱印をもらいますが、御朱印ってなんですか?

 御朱印とは、もともと参拝者が写経を納めた証としていただく印でした。

 それがいつの頃からか納経しなくても参拝のあかしとしていただけるようになり、それが段々と神社にも広 がり今では多くの寺社でいただけるようになりました。 現在ではどなたでも御朱印をいただくことができますが御朱印とスタンプとの違いは寺社の僧侶や職員、神職が押印し、押印と一緒に墨書で寺社名や参拝日、ご本尊名やお堂名を記すことです。 

御朱印は寺社名が入っていることから、寺社で授与されるお札などと同等とされ、粗末に扱うべきではないとされています。実際、朱印帳を普段は神棚や仏壇に上げているという人も少なくありません。 御朱印はその時々で頂ける唯一無二のものなのです。 

 

千差万別の筆遣いや印を見返して、訪れたときの光景を思い出すのが楽しいという方も多いようです。

平成27年度 信越仏青 回答

Q13.大般若転読法要というのに参加しましたが、大般若経とはどんなお経ですか? 

「大般若経」の実名は「大般若波羅蜜多経」と言われ、総数六百巻にも及ぶ大経典群です。 

 

 「西遊記」は三蔵法師がお供を連れて、遠く天竺(インド)までありがたい経典を仏さまに頂きに向かう お話ですが、その三蔵法師のモデルとなった玄奘三蔵は、この経典群を中国に持ち帰ると同時に翻訳(インドの言葉から漢訳)を行い、この経典を完成させました。六百巻という膨大な翻訳作業は、相当な苦労が伴っ たことでしょう。

この経典の内容としては、主に「空(くう)」の思想について説かれております。その「空」について端的 に説明することはとても難しいのですが、「あなたの心が、身の回りに起こる事柄で揺れ動き、そこから起 こる感情は良いも悪いもなく幻であるのです。その幻に捉われることのない心を保ち、日々を過ごしましょ う。」といった思想が含まれていると言えるのではないでしょうか。 また余談ではありますが、この六百巻に及ぶ内容のエッセンス(心)を抽出しまとめたものが、われわれ の生活にも身近に説かれる「般若心経」となっているという説もあります。 

平成27年度 東京仏青 回答

 

Q14.十三仏の掛け軸を見ましたが、十三仏とはなんですか? 

 初七日から三十三回忌までの追善供養を司る仏菩薩様が十三体いらっしゃることから派生した信仰で、 この仏菩薩様が姿を変えて亡くなった方々の裁判を行うと言われております。以下、初七日から三十三回忌 までの仏様を表にしました。ご覧ください。 

 

回忌の際はその仏菩薩様に祈念すると故人様の仏果が増すと言われております。

回忌

十三仏

初七日

不動明王

二七日

釈迦如来

三七日

文殊菩薩

四七日

普賢菩薩

五七日

地蔵菩薩

六七日

弥勒菩薩

七七日(四十九日)

薬師如来

百箇日

観音菩薩

一周忌

勢至菩薩

三回忌

阿弥陀如来

七回忌

阿閦如来

十三回忌

大日如来

三十三回忌

虚空蔵菩薩

 

平成27年度 北総仏青 回答

Q15.お盆での仏壇や盆棚のお祀りの仕方を教えてください。

 お盆には、ご先祖があの世から帰って来られる御霊(みたま)・精霊(しょうれい)をお迎えする為に、精霊 棚・盆棚を飾ります。飾り方は、地方、地域、家々などによって風習や習慣が伝えられており、多種多様で すので、ここでは一般的な一つの例を挙げさせて頂きます。

まずお仏壇の扉を開け、お仏壇の前に精霊棚となる小机を置き、マコモで編んだムシロ・盆ゴザを敷き、笹 竹を四隅に立て、縄で結び、ホオズキや五如来旗を吊るし、結界を張ります。次に、お仏壇からお位牌を取 り出し、精霊棚の奥の中央に置きます。香、花、灯明等もお仏壇から出します。季節の野菜、果物、故人の 好物等と、キュウリとナスに麻がらや割りばしで足を作り、キュウリの馬、ナスの牛をお供えします。ご先 祖の精霊に、来る時は馬に乗って早く来てください、牛に乗ってゆっくりお帰りくださいという気持ちが込 められています。

現在では、様々な家の事情により、小机のみで簡略化しているところも多いのですが、おもてなしの心を もって、ご先祖の精霊をお迎えし、ご供養するという気持ちが大切なのです。 

平成27年度 埼玉仏青 回答

 

Q16.天台宗のお坊さんは坊主頭でないといけないのですか?なぜ坊主頭なのですか?

 

 現在では高校球児やお坊さんではなくても坊主頭にしている方をよく見かけますが、坊主頭にしている方 になぜ髪の毛を短く丸刈りにしているのか?と質問すると、皆さん「朝起きて髪型に時間がかかったり流行 の髪型を真似したりすることに疲れたから短くしている」と答えます。

 そこでお坊さんは、髪の毛に関する悩みを捨て修行に専念するために、坊主頭にしているのです。 天台宗だけでなく他の宗派でも同様の理由から髪の毛を剃り坊主頭にしています。一方で、ある宗ではお坊 さんでもあり大衆でもありと、どちらにも偏らない中間の立場であるという考えから、あえて髪の毛を剃ら ない長髪のお坊さんもいらっしゃいます。 

平成27年度 群馬仏青 回答

 

Q17.お彼岸(ひがん)とはなんですか?どんな意味でしょうか?

 

お彼岸は3月の「春分の日」と9月の「秋分の日」の前後3日間、計7日間あり、ご先祖様や自然に感謝し、 悟りの世界に行けるように修行をする期間で、日本独特の仏教行事です。

彼岸は「彼の岸」(悟りの世界)を表わす言葉で、その悟りの世界に到達した状態を「到彼岸」といいま す。彼の岸に到達するための修行方法が「波羅蜜多」であり、波羅蜜多は「パーラミタ―」というインドの 言葉を音写したものです。修行をして穏やかな気持ちになることが悟りの世界へ到達するための第一歩とな ります。お彼岸の初日は「彼岸の入り」、最終日は「彼岸明け」、春分の日・秋分の日は「中日」とよびます。修行ですので「修行に入る」で「彼岸の入り」、「修行が明ける」で「彼岸明け」となります。

仏教には様々 な修行がありますが、お墓参りをしてご先祖様に供養の心を捧げることも、自身を穏やかな気持ちにするた めの修行といえるでしょう。 

平成27年度 茨城仏青 回答

 

Q18.天台宗には門跡寺院があると聞いたのですが、門跡ってなんでしょうか?また、門跡はどこの寺院を指し て言うのでしょうか?

 

 門跡とは、一門一派の法跡の意で、元来は、祖師から弟子へと継承されていく宗門の教えのことを、または その伝統の継承者のことをいいます。しかし、899年(昌泰2)に宇多上皇が出家して法皇となり仁和寺に 入ってからは、後世にこれを御門跡と称したために、法皇や法親王が住持したり開創した寺院、またはその住持を御門跡または門主と呼ぶようになりました。

 のちには皇族だけでなく貴族についても公卿門跡ができ、室町時代には門跡という語はこうした皇族・貴族のかかわる特定寺院の格式を表す語となりました。 室町幕府は門跡奉行を置いて門跡寺院の政務をつかさどり、江戸幕府は門跡を宮門跡、摂家門跡、清華門跡、准門跡に区別してこれを制度化しました。ところが明治政府により、一時的に門跡と名乗ることをやめ させられることになります。しかし、後になって当時現存する寺院に限って、これを名乗ることを再び許され、現在に至っています。

 門跡寺院は、天台、真言、法相、浄土、真宗などの各宗にわたってありますが、たとえば天台宗では八家あり、天台宗の門跡寺院としては、宮門跡として輪王寺(東叡山と日光山)、寛永寺、妙法院、青蓮院、毘沙門堂、三千院、曼殊院、滋賀院という八つの門跡寺院があります。また特に妙法院、青蓮院、毘沙門堂、三千院、曼殊院を「天台五門跡」あるいは「京都五箇室門跡」などといいます。また青蓮院、妙法院、三千院 の三門跡の住持は叡山の座主を兼職したところから「叡山の三門跡」といいます。 

平成27年度 栃木仏青 回答

 

 

 Q19.海外にも天台宗寺院はあるのですか?あるならどこにあり、寺院名はなんというのですか? 

 

 海外にも天台宗の寺院は4カ所存在しています。アメリカ合衆国に3カ所・インド共和国に1カ所です。 簡単な紹介文とホームページを持っている御寺院は掲載しておきますので、閲覧してみて下さい。 

1・天台宗ニューヨーク別院 慈雲山天台寺
アメリカ合衆国ニューヨーク州
毎週水曜日に ウィークリー瞑想サービス(WMS)が行われているようです。ほかにも各月に行事やイベントが開かれているようです。
http://www.tendai.org 

2・天台宗ハワイ別院
アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市 毎月第一日曜日には護摩祈祷、第一・第三火曜には絵手紙教室など年間を通して様々な行事を行っているようです。
下記のアドレスは荒了寛御住職のホームページのアドレスです。 http://www.tendaihawaii.org/index.html 

3・パロロ観音寺
アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市 2015年、パロロ観音寺80周年の記念法要が執り行われました。日本からも沢山の僧侶のかたが法要に出席し、いけばな光風流家元による献華なども行われ盛大に 80周年の記念法要が円成されたようです。 

4・禅定林

 

  インド共和国マハラシュトラ州

 

平成27年度 福島仏青 回答

Q20.天台宗僧侶になるためには何をすれば、どうすればなれますか?

 

 ご質問者様は一般のご家庭(在家)の方とお見受けします。そうであれば、天台宗の僧侶になるには、まず ご自身の師僧となって下さる天台宗の僧侶を見つけなければなりません。基本的には、この師僧にあたる人 物から僧侶としての立ち居振る舞い、心構え等を学んでいくことになります。

そして、師僧に僧侶になることを認められて初めて得度式と言われる式を受け、髪を剃りお釈迦様の弟子となり仏道を歩んでいく誓いをたてます。その後、比叡山に登り本格的な修行の段階へと入ることが許されま す。

そして、比叡山では様々な修行を通して天台僧としての基礎的な教義や法要での作法等を身につけます。これらの行を無事修めて初めて、正式な天台僧としての一歩となります。 

平成27年度 陸奥仏青 回答

 

Q21.他の宗派のお坊さんと交流はありますか?

 

 全国的に言いますと全日本仏教会や全日本仏教青年連盟という組織があり、これらに属している宗派は、奈良の東大寺で花祭り法要を行ったり、ネパールなどに行き学校を建てたりと支援活動などで交流をする機会 があります。また、地方においては各自治体などに仏教会があり、勉強会や托鉢等で交流を深めております。 

平成27年度 山形仏青 回答